ここで“のだ焼”が作られる―野田村日形井・のだ窯 泉田之也さん

どっしりとした存在感を感じさせる、のだ焼片口すり鉢。
渋い色合いがお料理を引き立たせ、盛り付け鉢としても使いたい一品です。

のだ焼の特徴は、ざらざらとしてつやがないこと。厚みはあまりなく、薄め。
シンプルな作りで、素朴さや力強さなど土の素顔が垣間見える陶器は、日々の暮らしに心豊かな時間を与えてくれそうなクラフトです。


のだ焼の陶工である泉田之也(いずみた ゆきや)さんは、同じ岩手県久慈市で200年の歴史を持つ小久慈焼きの窯元岳芳氏に師事し、1995年から野田村で創作活動を始めました。
数々の受賞を重ね、現在は野田村玉川にあるギャラリーIZUMITAの方にご家族でお住いで、製作の傍ら、全国での個展・展示会への出展などご活躍されています。




そして作品を焼締めをする穴釜が、野田村・日形井地区にある『アジア民族造形館』にあります。先日こちらにお伺いした際、ちょうど泉田さんがこのすり鉢を作っておいででした。

今まで焼き物を焼き上げるところを見たことのないワタシ。数日後に窯入れするよ、と聞いて、これはぜひ!と、さっそくお邪魔してまいりました。


夕方にお訪ねすると、陶工である泉田さんに、奥様とお子様の3人(と猫ちゃん)が出迎えてくださいました。
奥様とは何度かお話させていただいてるんですが、陶工の泉田さんとあらためてお話するのは初めてです。

お世話になります。お忙しいところすみません・・・。

これが窯!
トンネルのような形をしていて、燃料は薪。この穴窯の中で作品が焼かれています。
穴窯の入り口は煉瓦で組んでいて、その上から泥を塗って固められており、出すときに壊して、入れるときにまた塗り固めるというふうにするんだそうです。
紅い火が燃える窯の中をちょっとだけ見せていただくと・・・


見えた見えた!
中には1~2ヶ月で作りためた200個ほど(そんなに!)の陶器が入っているそうです。

覗いたらブワッと熱気が来るかなと思いましたが、あらっ、案外そんなに熱くない。
「今はまだ400~500℃ぐらいなんですよ」と教えてくださいました。

そして夜通し薪をくべ焼いて、焼き上がったら二日ほど冷めるのを待ってから開けるそうです。
今晩は家族3人でここにお泊り。窯入れの日は、昼はカレー、夜は豚汁とメニューが決まっているそうです。なんだか楽しそう~!


窯の傍はぬくいにゃ~

原っぱで遊んでいた小学生の息子さんが元気にタタターッと帰ってきたと思ったら、お茶をカップについでゴクゴク。んん?よく見たらそれ、のだ焼!?
「1歳か2歳ぐらいのときから使わせてますけど、1回割って分かったみたいで、それ以来割ったことがないんですよ」
ええ~!すごいなぁ息子さん。さすが。

↑これがそのカップ。どっしりした、いい味のカップでしょう?見かけより軽い気がします。
さらに猫用のお皿までのだ焼。うらやましい(笑)

昔ながらの穴窯は、現存する最も古い製法で、ガス窯と違い自然の風合いのある作品に焼きあがるのだそうです。

薪をくべる作業を繰り返し繰り返し行いながら、「焼締めが一番楽しみ。1個でも良いのがあればいいですけどね」と笑う泉田さん。同じ作品は一つとしてないと言います。今回は、どんな作品が仕上がるのでしょうか・・・。


★のだ焼


泉田之也さんが丹念に仕上げたのだ焼は、野田村玉川のギャラリーIZUMITA、また道の駅のだ内・観光物産館ぱあぷるでお買い求めいただけます。
ご紹介したアジア民族造形館では、のだ焼きの作品展示もしています。
見学・体験などお問い合わせは下記まで。

ギャラリー・IZUMITA
〒028-8202 岩手県九戸郡野田村玉川5-79-17
TEL/FAX 0194-78-3403
(開廊 AM10:00~PM6:00/休廊 水曜・木曜・第4日曜日)
陶工・泉田之也氏の公式ウェブサイトはこちら

タグ:ギャラリーIZUMITA, 観光物産館ぱあぷる, 泉田之也氏, 道の駅のだ

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※記事の内容は取材当時のもので、最新の情報とは異なる可能性があります。最新情報は直接店舗等にご確認ください。

Comment [1]

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コメントありがとうございます!

ホント、そうですね(笑) いや、実際ワタシが撮影した写真より良い表情だったので、カメラマンによって違うもんだなぁ?と思いましたよ。

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