アジア民族造形館

本日は、冬期休業が開けたアジア民族造形館のご紹介です。
「アジア民族造形館」はその名の通り、アジア各国の資料の展示をしている資料館で、野田村の野田村の山あい、日形井地区にあります。



「なんで野田村にアジアの資料館があるの??」という疑問が聞こえそうですが・・・・

野田村へ訪れた金子量重さんという方が、日形井地区の南部曲り家を見て、タイ(ヤオ族)の風景に似ていると感じられたんだそうです。
また、ちょうど村では「貴重な南部曲り家をなんとか後世に残したい」と考えていたこともあり、曲り家の数棟を改装、アジアの資料館として開館されたんだそうです。

↑館内にある資料。確かに、家の作りや雰囲気が似てるかも・・・ 黒と赤の民族衣装が鮮やかできれいですね。



さて道順ですが、国道45号からのんちゃん・もしくは信号を野田村中心街方面へ曲がり、田中時計店さん(役場の手前)を右折します。
その辺からアジア民族造形館への看板が要所要所に立てられています。
細い道になったりするので長く感じると思いますが、15分ほどで着きます。
→詳しくはこちら!


さぁ、着きました~! 静かな山あいにある、アジア民族造形館です。

まずは受付。第一展示棟に向います。ちなみに大人は300円、小・中学生は100円ですヨ。


きちんと刈り揃えられた茅葺の屋根。一番上に木が生えていますね。ここは芝土になっていて、重しの役割と、雨漏りを防ぐ役割があるのだとか。ここに鳥が種を運んできたりして、植物が生えるのだそうです。




こんにちは~。第一展示棟の中に入ると、まず出迎えてくれるのが囲炉裏です。


囲炉裏の煙で茅葺の屋根を燻し、虫がつかないようにするのだそうです。
ですので、夏でも囲炉裏の火は消えません。



第一展示棟ではアジア各国の民族衣装や陶器類、玩具、資料本を展示しています。
ここでは民族衣装を試着できるコーナーがあるのです。いわゆるコスプレ♪

ちょこっと気恥ずかしいけれど、やっぱり着てみたいですよね。(本日は一人っちゅーのもあるのでやめておきましたが・・・)
お子さま用もありまして、お聞きしたところこれなら2歳ぐらいから着られるんじゃないかなということです。

ちなみに一番人気はコレ!韓国の『チマ・チョゴリ』です。

分かる方ならきっと分かりますよね・・・
そう、韓国ドラマ“チャングム”(※)♪♪

(※)「宮廷女官 チャングムの誓い」・・・16世紀初頭の朝鮮王朝時代に実在したといわれる医女・チャングムの生涯を描いた大河ドラマ。あんまりすぎるベタな展開とチャングムのたびたびのピンチにハラハラしつつ、つい見てしまったドラマです。(笑)


宝飾品もきれい~






あとは花瓶・食器などの陶器、お面、藁細工の小物など。
日本のゆたんぽ、この形は知らなかったなぁ~ (「小さい頃はこんなだった」と懐かしむ方もいらっしゃるそうですよ。)



お次は第二展示棟。

こちらでまず目に入るのが寺院の門。(これはぜひ実物を見てみてくださいね~)


また、装飾品や籠の編組品、食器、真ちゅうの食器、色鮮やかな前掛けなどを展示しています。

真ちゅうの食器は毒が入ると色が変わり、お毒見がいらない食器なんだとか・・・! そういえばチャングムで、こんな食器で王様にお食事を出していたような。

このお箸で食べたらきっと美味しいだろうな...


前掛けや額布など、とにかく刺繍が細かく鮮やか!
アジアの中には、こんな素敵なお洋服を毎日来て生活している方がいらっしゃるわけですね・・。




そして、こちらはタイの高床式住居。

「高床式」といえば、え~と、ネズミがのぼってこれないという・・・・
いえ、タイのは下が家畜を飼うスペースになっているのだそうです。
床板に少し隙間を持たせ、そこから下の家畜が見え、上で食べ残しなど落とせば下にいる家畜がそれを食べるといったふうに、合理的なつくりになっているんだとか。
へぇぇ~~。


こちらの二階では、のだ焼を展示しています。
玉川の方にあります「ギャラリーIZUMITA」にも展示がありますが、こちらには窯があるんです。

頻繁には窯に火が入っていることはないそうですが、こちらで作品作りをしていることはあるそうです。
ろくろや手びねりなど陶芸体験してみたいという方は、あらかじめお電話(0194-78-3403)でご予約を。




今日はお二人の方にガイドしていただきながら、じっくりと見ることができました。

一見、なんだこりゃ??というのも、お話しを聞くと「なるほど!」とよく分かって、へぇ~の連続でした。

ご希望であれば説明を聞きながらの見学も可能だそうですので、ぜひ窓口でお声をかけてみてくださいね。(どうしても混み具合によるそうですが..)



アジアの文化資料を楽しむ方もいれば、一方、曲家を懐かしむ方もいて、楽しみ方はいろいろだそうです。
展示棟は改装されていて土間などはありませんが、近くには改装されていない曲家もあるそうですよ。


私の場合はチャングムワードで現物を見れたのも良かったですし、きれいなデザインの衣装も楽しめました。
資料本を読みながら、そして苫屋(南部曲り家民宿&カフェ)へ寄ってコーヒーをいただいたりと、半日ぐらいのんびりしていく方もたまにいらっしゃるそうです。

お時間がある方は、第一展示棟にある資料本を見てから実際の展示物を見るとより楽しめそうですよ。

お話をお聞きしていると、南部曲家の維持には人手やお金がかかり大変なことのようですが、日本の文化としてぜひ次代に伝え、大切に残していきたいものだなと思いました。




ゴールデンウィークの最終日、5月9日(日曜日)には近くのアジアの広場にて『アジアの広場まつり』が開催されます。
手打ちそば、豆腐田楽などの郷土料理も自慢の逸品をご用意!
さらに当日は入館料が大人100円、小・中学生以下無料となります。
ぜひ、実物をご覧に来てみてくださいね。


▼だいぶ古い記事ですが、アジア民族造形館の館長をされていた金子量重さんの記事が掲載されたものです。よろしければ・・・。
「DATUMS」バックナンバー(RIC発行) - 南部曲屋で、アジアの暮らしの形に学ぶ


▼定休日、時間、料金などはこちらから
野田村観光協会 アジア民族造形館情報はこちらから
*冬季(12月31日~3月31日)は休館となります。

タグ:アジアの広場, アジア民族造形館, 泉田之也氏, 苫屋

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※記事の内容は取材当時のもので、最新の情報とは異なる可能性があります。最新情報は直接店舗等にご確認ください。

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