前年10月に野田村の地域プロジェクトマネージャーに着任した木村 剛さん。(写真左)
木村さんは盛岡市出身。株式会社ベアレン醸造所の代表取締役社長を務めていた経験を活かし、まずは野田村の山葡萄ワインの取り組みに力を入れており、村内の『涼海 の丘ワイナリー』(坂下 誠醸造所長/写真右)からは大きな期待を寄せられています。
今回は木村さんに、山葡萄ワインの魅力についてお尋ねしました!
―― 木村さんは、ワインは結構飲まれるんですか?
(木村) はい。若い頃からお酒は好きで、ワインも日本酒も飲みます。
―― そうなんですね。野田村の山葡萄ワインの印象はいかがですか?
(木村) 世界的に見て価値のあるワインというのは、その土地の特徴が出ているワインです。
まず野田村では昔から山葡萄を生産していて、涼海の丘ワイナリーでは野田村の畑で収穫された山葡萄だけでワインを作っている。沿岸である野田村では「やませ」という冷涼な気候で育つ地域の特性もあり、土地の特徴がよく出ているワインと言えます。
岩手県はワイン造りが盛んで日本で5番目の多さですが、やさしいというか、すっきりした味わいが多いんです。
野田村の山葡萄ワイン(紫雫 Marine Rouge)は5年、10年と長く寝かせると酸が落ち着いて美味しくなる長期熟成型で、ヨーロッパに近い味わいだと思います。涼海の丘ワイナリーは隣にワインを長期保管できる鉱山がありますからね、そんなワイナリーなかなかありませんよ。
―― ヨーロッパに近いとは凄い!それこそ長期熟成された高価なワインもありますね。山葡萄ワインも市場では価格は高いほうですか。
(木村) ここ数年、日本ワインが世界でも注目されています。1本7~8千円のものも普通にあるので、涼海の丘ワイナリーは中の上ぐらいのお値段です。
―― 意外と高い・・お恥ずかしいですが、知りませんでした。そうなんですね。
(木村) 山葡萄は可食部が少ない分、絞れる果汁も少なく希少ですからね。でも、この山葡萄ワインはしっかりしたワインですから、開けても栓をして涼しい所に置けば10日ほどは持つので、少しずつ飲めます。
―― なるほど。確かに山ぶどうの原液も毎日少しずつ飲むような感じですね。毎日山葡萄ワインを飲んでいたら元気になりそうです!
(木村) そうそう。そういえば先日、とあるサバ缶と合わせて山葡萄ワインを飲んでみたのですが、これがすごく合って驚いて。岩手は缶詰を生産しているところが多いですし、缶詰とワインのマリアージュを探すのも楽しいです。
坂下醸造所長さんと、ワインと一緒に缶詰を買えたり、飲めたり、交流したり、そういった場を作れたら・・・という話もしています。
―― 確かに岩手の缶詰、ここ数年で話題になっていますね。ご当地缶詰とご当地ワインを合わせるのは楽しそうですね!
(木村) あと野田村で良い所は、若い就農者が入ってきているところです。県内で見ても、担い手の減少で畑を手放すところもある中で、こうして若い人が来てくれている。
野田村は県内で上位の生産量ですが、一時期は少し下がりましたが、昨年は32トンまで盛り返しました。涼海の丘ワイナリーでも自社で畑を持っていますが、今年は色々手を入れたので、もっと上がるのではと期待しています。
あとは「野田村の山葡萄を使いたい」という業者も多く、生果やジュースの出荷量が増加しています。
―― ワイナリーの醸造規模が小さくても、他に山葡萄の需要があれば安定生産に繋がりますね。どうもありがとうございました。
涼海の丘ワイナリーは今年開業8年目で、3人体制の小規模ワイナリー。
コロナ禍では酒類の提供に制限がかかるなど、お酒にまつわるビジネスは厳しい逆風にさらされていたように思います。様々な課題を抱えるワイナリーにとって、地域プロジェクトマネージャーである木村さんの存在は強い味方ですね。
これからもよろしくお願いします!!
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お知らせ
4月1日の涼海の丘ワイナリー新酒リリースに先立ち、国民宿舎えぼし荘にて「山葡萄ワイン新酒&ヴィンテージを楽しむ夕べ」を開催するそうです!
新酒発表会としては2019年ぶりの開催となりますので、ぜひ奮ってご参加ください
〔日時〕2024年3月16日(土)開宴18:30~
〔売チケット〕5,000円(抽選券付)
〔会場〕国民宿舎えぼし荘(久慈市方面からの送迎有)
▼チケットは前売り制です。下記プレイガイドにてお求めください。
【プレイガイド】3/10(日)まで販売
・国民宿舎えぼし荘 (TEL:0194-78-2225)
・観光物産館ぱあぷる (TEL:0194-78-4171)
・涼海の丘ワイナリー (TEL:0194-78-3980)
タグ:涼海の丘ワイナリー
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