こんにちは!
どうもまだ肌寒くて、朝一のストーブがかかせません。。
さて三陸復興国立公園でもある野田村の景勝地・十府ヶ浦海岸の南側にあたる米田地区では、本格的に海岸防潮堤の工事(※1 )が行われています。
それにともなって、このごろ十府ヶ浦の脇を走る国道45号が片側通行になったんですが・・・
砂浜に目をやると、土のう袋に囲われた緑の一帯にちょこちょこピンク色が混じってるじゃ~ありませんか。
あれは何かといいますと、ハマナスの花です。
村民の命を守るための防潮堤工事が始まるにあたり、国道すぐ下の砂浜は掘削や工事用道路の工事用地として使用されます。
そうなると浜の植物がどうなるのかな~と気にかかっていましたが、
海浜性植物群落は保全されることになっているんだそうです!
というわけで浜辺へ降りてみることに。
ところどころにハマエンドウなどの花が咲いていました。きれい!(*'▽'*)
ちなみに震災以降の写真から比較。
このとおり大半がなくなったわけなんですが、先ほどの緑の一角(↓)はそのまま残してもらえることになったそうなんですね。
どれどれ・・・・
おお~! 降りて見てみると結構開花してますね!
例年より早いかも。
もう一ヶ所あるんですが、こちらは残念ながら葉を付けなかったようです。
でも、手前に生き残った株(?)もありますね!
ほかの工事用地になった部分に自生していた海浜植物の一部は、施工業者さんにより、国道を挟んで内陸側の所に移植されています。
工事の工期は平成30年度までとなっており、工事完了後、また元の場所へ戻されることになっています。
こちらも残念ながら葉を付けていませんが、ハマナスは上の部分が枯れても、根の方から若葉を伸ばしてくることが多いので、これからの経過を見守っていくということでした。(移植後に降水量が少なかったことも原因かも・・)
この海浜植物の保全を行っているのは米田地区防潮堤の工事を担当する岩手県ですが、岩手県立大学さんも保全活動に関わるそうです。
岩手県立大学の島田先生は、震災の年から沿岸地区の海浜性植物について調査を行っており、野田村にも何度も足を運ばれているそうです。
具体的な活動内容としては
- 工事前の状態の砂浜を残す「現地保全」
- 根茎や種子を含んだ表土を移動させる「移植」
- 苗づくり
- 海浜植物の種子保存
の4つの活動を行い、最終的な目標としては
- 十府ヶ浦米田地区での工事終了後に、工事前より生育していた海浜性植物が一種類もなくならず、良好な状態で十府ヶ浦に生育すること
- 工事前の十府ヶ浦米田地区よりも、より良い海浜性植物の生育地が復元されること
の二つを掲げているそうです。
ハマナス群落だけでなく、ほかの海浜性植物も保全されるんですね。
野田村のハマナス群生地はかつて十府ヶ浦海岸一帯にあり県下有数の規模を誇っていましたが、海岸防潮提の建設以降は年々砂浜の減少とともに少なくなり、かつての大群生地は見られなくなりました。
ハマナスは浜砂の飛散を防ぎ、砂浜の形成にも役立つとされます。
器量うるわしく、名も香も佳くて実用性も高く、東北の厳しい寒さに強い生命力を持つハマナスは、野田村の「村花」に指定されています。
2011年の東日本大震災でも数を減らしたものの、幸い米田地区の砂浜のハマナスは生き残り、初夏には力強く美しい花を咲かせ、皆さんに希望を与えてくれました。
毎年ハマナスが満開になる前にハマエンドウの群生が満開になっていて、一角といえこちらも見事でしたぁ~。
あの風景にしばしのお別れ。
ハマナスを守ることは砂浜を守ること、逆もまた然り。
また再びよみがえるように、皆で守っていきたいですね!!p(>-<)q
※ご注意
- 今回は工事の休みを利用して撮影させていただきました。工事中の立ち入りは危険ですのでご遠慮ください。m(_ _)m
(※1)野田村米田地区 海岸防潮堤復旧工事(~平成29年7月)(追記:平成30年度まで延長)
現在の防潮堤をTP12mから14mに嵩上げし、北部を前浜地区までの防潮堤(林務防潮堤、海面高14m)と接続します。南側は道路自体を14mに嵩上げを行い、津波の流入を防ぎます。
現在、防潮堤工事にともなう国道45号のう回路として、村道の拡幅工事を行っています。
三陸復興国立公園(環境省)
http://www.env.go.jp/park/sanriku/
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