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短角牛に会いにいく

空に曇が広がりはじめた静かな午前中、
振興局・農政部のK原さんから一本のお電話が・・・


「午後、お時間ありますか?」


というわけでデートのお誘いを頂いてしまい、さっそく馳せ参じてまいりました。

やってきたのは『県北地域食材の魅力体験ツアー&意見交換会』(県北広域振興局・農政部主催)です。


今回のツアーは、主に食材を“使う”立場の皆さま方が、生産現場へ行き生産者とふれあい、最後に試食会をして、地域の魅力を体験するという内容です。
関東の方を対象にしたツアーはこれまでも開催していたそうですが、地元関係者を対象にしたツアーは今回初めての試みだそうです。


というわけで一行は大型バスに乗り込み、寒締めほうれん草農家さん、短角牛農家さんの二つの生産現場へ見学に参ります。


曇り空だった空からは雪が降り始めています。
あたたかかった最近では珍しく、ついには吹雪き始めました。

開催関係者の心労が伺えます...


まず始めに、寒締めほうれん草農家へ(久慈市山形町戸呂町)。
ハウスにおじゃまいたしますー。

寒締めほうれん草は、寒さの中で100日~120日ほどかけてゆっくり育つので、味が濃く、糖度の高い、美味しいほうれん草になります。

地方は北東北の中では比較的温暖で、天然の冷蔵庫のような気象なのだそうです。(そうだったのか) その特性を活かした栽培法なのだそうです。


ぺったりと地に這うように、横に広がって育っています。

育て方は?土は?農薬は?収穫方法は?
飲食業の皆さんや、ふだん野菜を育てている方も多い野菜ソムリエの皆さんも興味しんしん。


寒締めほうれん草は長い期間ゆっくり育てるためか、地中では根が広がっています。

そのため普通のほうれん草のようにスポッと抜けないので、カマで切り収穫するのだそう。袋詰めも手間がかかるそうです。葉がぎゅぎゅっと入ってますものね。


寒締めほうれん草は今が旬。
少しかじってみるとアク(エグミ)もなく、甘みが広がります。普通のほうれん草に比べると、ふかっとした厚みがあるのも特徴ですねえ。

かじると甘い。


再び吹雪の外へ出て、再びバスへ乗り込み次は短角牛農家へ向かいます。

雪だ雪だ。

でっ・・・でっかい!

「気をつけてくださいね、こっち側は闘牛ですから」

こちらでは、8頭もの闘牛も育てているのだそうです。初めて近くで見ましたぁ・・・。


短角牛は岩手を中心に飼育されている赤牛で、飼育頭数は肉用牛全体のわずか1%という貴重な存在。

冬の間は牛舎の中で育ち、春になると広大な牧草地に母子で放牧され、そこで自然のままのびのび育つそうです。
これは「夏山冬里」という短角牛の育て方だと前からよく聞いていたのですが、母子で放牧されて育つのは短角牛だけなんだそうです。

えっ、そ~なの!?
ほかの牛は、違うの?

交配も、人工ではなく自然交配なんだそうです。(夏の間に交配されるので、ただいま皆お腹に赤ちゃんが。もうすぐ出産ラッシュとなるんだそうです。)
飼料もなんと、100%国産。
短角牛というのは、とっても「健康」に育つ牛なのです。

いや・・・大変タメになるお話を聞いている最中なんですが・・・

ブォォォ~~~!!!!

すぐそこにいる闘牛くんの大音量の鳴き声が恐い。

ガツッ!ガツッ!(隣の牛同士で角を突く音)

ひえええ!

闘牛に舐められても平気であしらう下舘さん。さすが。

闘牛といえばオーレ!なイメージが強い方も多そうですが、わが野田村の『のだ塩ベコの道』とも深い係わり合いがあります。

その昔、野田村で作られた塩を運んでいたベコ(牛)たち。その牛の先頭を歩くのは「一番強い牛」でした。ほかの牛たちは強い牛に着いていく習性があるそうで、牛と牛とを角突きさせ、一番強い牛を決めたそうです。

それで今も、ここ久慈市山形町では、東北唯一の闘牛大会が行われています。
その猛牛たちを操る勢子(セコ)を務める一人が、この下館さんです。
(ホームページもあります→ いわて平庭高原闘牛会

短角牛のたくましさ、元気さを実感しました。



そして一行は短角牛に別れを告げ、久慈グランドホテルへ。
これから、お楽しみの試食会が始まります。


久慈グランドホテル」、「エルコリーヌ」、「フォレストキッチン」、「まめぶの家」の料理人たちが腕をふるって考案したメニューです・・・!

きれいですねー!

こんなのいただいちゃっていいんでしょうか・・・。


「海老をすりおろしまして・・・」

ふむふむ


野田人としては注目の一品はこちら
レストラン エル・コリーヌさんが作った「山形村短角牛の山葡萄ワイン漬け」

野田村産山葡萄ワインとみりんを沸かした液に、フライパンで焼き目を付けた短角牛モモ肉のさくを半日ほど漬け込んだもの。
とっても柔らかく、ソースの付け具合で色んな味わいに。

今回資料にレシピも付いてきたんですが・・・、料理人さんってすごい。なんでこんなの思いつくんでしょう。

短角牛がぷりぷりに柔らかい「山形村短角牛と変わりだんご汁」。


寒締めほうれん草のしんじょう焼きも、オープンサンドも、テリーヌとやらも、もう、ホントどれも美味しかったです・・・。

その後は寒じめほうれん草や短角牛について、生産者と消費者でいろんな課題などについても意見交換がされました~。


今回は、五感で味わうことって、すごく大事だなーと思いましたよ。
話に聞いたり、本やネットで読んだり、テレビ映像でも見てはいるけど、自分の目で見て初めて理解できること。まさに百聞は一見にしかずでございました。

とはいえ情報発信の課題というものもありますからね。ワタクシもがんばるぞ!

農政部さん、生産者の皆さん、シェフの皆さん、ありがとうございましたー!
これからもがんばってくださいー!

嬉しいおみやげも、ありがとうございます。

★山形村短角牛を味わう会2011


日時 : 2011年2月19日(土) 18:30~20:00
会場 : ロイヤルパークカワサキ(久慈市長内町)
会費 : 4,500円(ドリンク飲み放題)
定員 : 120人

◇チケットのお求め
野田村産業開発(株)(観光物産館ぱあぷる) TEL 0194-78-4171

なお、短角牛はこのあいだ紹介した久慈市の「焼肉たむら屋」さんでも食べることができます。出席者によれば、短角牛ハンバーグは「超おいしい!(・∀・)b」だそうです。

(haru)
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タグ:観光物産館ぱあぷる, 久慈市

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