今年7月20日、東北地方整備局で構成する震災伝承ネットワーク協議会による「津波伝承施設」に、野田村の「奇跡の東屋」が登録されました。
国道45号から海側を見ると、津波に耐えた東屋が見えます
この東屋は平成6年に十府ヶ浦海浜の森(前浜地区)に設置され、海岸周囲を見渡すことのできる展望施設として親しまれていました。
下の写真は2011年3月11日、東日本大震災の発災時、役場広報担当の方が野田漁港付近の高台から撮影した写真です。
津波で見えませんが、高さ12メートルの防潮堤に津波がぶつかり、水しぶきが上がった様子がとらえられています。
防潮堤は破壊され海岸近くの地域も壊滅的な被害を受けた中、東屋はぽつんと残っており、当時地域の皆さんを驚かせました。
そんな東屋ですが草刈り作業がなかなか行えないようで、草木が生い茂っていました。

そこで先日、野田村商工会の工業部会の皆様による地域奉仕として、東屋周辺の景観整備を兼ねた環境整備活動が行われました

ちなみにこの東屋は県が発注し、部会員が施工したものだそうです。
まだ防潮堤工事が始まっていなかった東日本大震災の翌年の写真があったので比較してみます。
山の三角形がみえて、容易に上に登れる感じです。
長らく工事による立入禁止であまり人の手が入っていなかったのか、草木が生い茂りコロンとしたシルエットに

この夏にも一度草刈りが行われておりましたが、ひと夏を過ぎてまた伸びてしまったそうです。
事前に県の許可と指導をいただき、行われました!
皆さん持ち寄った刈払機で、繁茂した草をどんどん刈っていきます

低灌木は人の背丈以上に成長しています。枝はナタで枝打ち。
皆さんお仕事柄すごく手際がいいです。
2時間もかからないうちにこの通り!!さすが



上からの眺めはというと、とってもいい眺めです

防潮堤(14メートル)の向こうにわずかに水平線が見えるぐらいですね。
これを防潮堤工事前の2012年と比べると・・・。
2012年当時は、防潮堤が大津波で倒れたままのため海がすっかり見えていました。
生き残った黒松もずいぶん減ったんですね。
この足元まで津波が押し寄せ、水の底になったのだと思うと恐ろしくなります。
というわけでこの日は野田村商工会の工業部会、事務局長と役場職員の計10名の皆様が汗を流して作業に当たってくださいました。
どうもありがとうございました。
最後に東屋へのアクセス方法です。

本町通り(銀行のある通り)から海の方へ向かい、国道の手前で公衆トイレのところを右折し、十府ヶ浦公園の多目的イベント広場に入ります。
国道の立体交差をくぐったら、小さな橋を渡り、左折します。
ガタガタガタ... 中心部から車で3分程度でつきます
足元に気を付けてどうぞ。
復旧・復興した街並みや防潮堤、海浜の森エリアを見守るとともに、東日本大震災の記録と脅威や教訓を後世に伝えます。
-お問い合わせ-
奇跡の東屋について
野田村役場 産業振興課 〔TEL〕0194ー78ー2926
津波伝承施設について
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