小正月行事の後編です。
後編・・・それは、年に一度、小正月の夜にやってくる・・・それが
な~も~み~。
鬼の面、胴あて・けら(背中)・てっか(腕)・こしみの・はんばぎ(脚)・わらじ・そして大包丁・・・
物々しい鬼の格好をした男たちが家々を練り歩き、言うことを聞かない子どもを叱り、子どもたちはいい子になると誓います。
要するに『岩手版なまはげ』なわけですが、秋田の『ナマハゲ』、この地域の『ナモミ』、大船渡市三陸町吉浜の『スネカ』など、呼び名違えどみんな意味は同じだそうです。
囲炉裏ばかりにあたっているとできる火傷を方言で“ナモミ”といい、小正月に山から降りてきた神様の使いである鬼が家々を回り、怠け者のナモミを剥ぎ取るそう・・・。
秋田『なまはげ』は“なもみはげ”→“なまはげ”、『スネカ』は“(足の)すね皮たくり”が語源なんだとか。
“なもみ”は、この辺では野田村のほか、洋野町、岩泉町などの伝統的風習。
おじいちゃんおばあちゃんの生まれるずっと前から居るらしいですが、記録に残っていないため正確には分かっていないそうです。
昔は各行政区にいたなもみも時代の移り変わりに伴い廃れ、いったんは途絶えたのを、村の若者の有志が30年ほど前(1980年頃)に復活させたそうです。
現在、『野田村なもみ保存会』メンバーは20名程度。
そしてやってくるのは、辺りがすっかり暗くなった頃・・・。
ガタガタガタ!と玄関を揺らしてどわっと入ってくるなもみ3匹!!
「泣くワラスはいねぇがぁ~!」
「きがねぇ~ワラスは連れて帰るぞぉ~!」
ひい!恐い!(そして動きが早くて写真が撮れない)
子どもを見つけるとロックオン!
「わるいごにしてねーがー!」
子どもが逃げると「どごいったぁーー!」「どごいったぁーー!」「どごいったぁーー!」と追いかけてきます。
こりゃー小さい子どもにはたまったもんじゃありません。ヽ(T-T )ノ ヽ( T-T)ノ
「いい子にするか!」
「するー!」
「いい子にするか、約束するか」という感じで子どもを脅し、「いい子でいる」と約束すると、なもみは「ほんとか!どこからでも見ているぞ・・・」と念を押し帰ってゆきます。
ちなみにこの、なもみが落としたワラは昔からお守りになると言われていて、あつめて神棚にまつります。
どうもどうも。寒い中ご苦労様でした。御礼のビールですー。
ちなみになもみの中の人ですが、中学生や大学生の方もがんばったそうです。
いや~も~若い声ながら迫力満点でした・・・・。
この見た目は恐ろしい“なもみ”、実はありがた~い、神様の使いです。
あの怖い顔や大きな怒鳴り声は、病気や悪霊を追い払うため。
子どもも大好き!(らしい・・)だからこそ悪事に訓戒を与え、子どもの健やかな成長を願います。
なもみが訪れた家では、主人はなもみをなだめながらも有り難く受け入れます。
何か大きなこわ~い存在がいる。。悪いことをしていればいずれ罰が当たる。。「昔ばなし」の世界では当たり前のような感覚だったことも、現代ではなかなか実感できません。だからこそ、このような風習を大切にしていきたいのかもしれませんね・・。
◆もっと岩手県ブログが読みたい方は、人気ブログランキングへどうぞ~
コメントする