立冬を過ぎ、紅葉から落葉のシーズンに入りました。
草木たちも冬支度を始めています。
木々に囲まれるアジア民族造形館では、職員の方々が地面を覆う落ち葉のお片付けをされていました。
関東などで緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令されていた時期には、人混みを避けて観光されるお客様がいらしていたそうです。
しかし・・・「かえって、今の方がお客さんが減った」という職員さん。
感染者が減少して、コロナ禍で営業を自粛されていたリゾート地やテーマパークなどへ遊びに行かれるのかもしれません。
ここ「アジア民族造形館」は日形井地区に残されていた南部曲がり家を改装し、1986年(昭和61年)に開館しました。
展示棟の南部曲り家は築200年。アジアに暮らす様々な民族が作り出してきた、民族衣装や生活雑貨、楽器、染物や壁掛けなどの造形資料が展示されており、現在は村教育委員会が管理されています。
まず受付のある方の第一展示棟です。
入って正面には囲炉裏があります。
椅子で囲炉裏を囲めるなんてオシャレ。
入って右側の部屋にはアジア各国の衣装があり、着替えて記念撮影することができます。
そして左側の部屋に展示「母なる海の恵みと脅威~野田と塩~」が新設されました。
『海の脅威』に関する展示物として、日本でもとても稀な津波堆積物の「剥ぎ取り標本」を展示しています。
野田村内で発見された、およそ7千年前から東日本大震災までの「巨大地震の履歴」として貴重な資料です。
また『海の恵み』に関する展示物として、村教育委員会にあった野田塩の歴史資料が展示されています。
こちらは第二展示棟です。
第二展示棟の入り口には鳥居のようなものがありますが、これはタイのアカ族にあった門『ロッコーン』で、日本の鳥居のルーツとなったといわれるものだそうです。
こちらにも入ってすぐのところに囲炉裏があります。ゆぶいゆぶい。
入って左側の部屋には、壺や籠、食器などの生活雑貨、笠、また奥にはシヴァ神の忿怒像であるバイラヴ像が展示されています。
細工が見事で見ごたえのある寺院の門
じっくり見てしまいます・・・
こちらの部屋に、以前アジア民族造形館の染織工房で藍染をしていた染織工芸家の秋山淳介さん(静岡市在住)より、村の被災地復興支援として寄贈いただいたものが展示されています。
秋山さんは多方面でご活躍されている染色工芸家で、以前2年程、アジア民族造形館の染色工房で創作活動に取り組んだことがあるそうです。
インドのカーペットと染め物
台湾の織物『蕃布(ばんぷ)』
タイルの母国であるイランの『モスクタイル』など。
写真ではなかなか細かさが伝わらないですね。ぜひ直接ご覧いただきたいです。
また右側の部屋には、『伊勢型紙』という、三重県鈴鹿市に伝わる国指定伝統的工芸品が展示されています。
染める図柄に合わせて、強靭で保存性の高い美濃和紙に、文様や図柄を丹念に彫り抜いていったものだそうですが・・・細かい!
切り絵より厚みがあるんですね。失敗したらまたイチからなんでしょうか・・
こちらにも染物作品が展示されています。藍染でしょうか。工芸的ですね。
鮮やかな色と刺繍が素晴らしいタイの『モン族』の民族衣装や・・・
楽器も展示されています。馬頭琴・・・『スーホの白い馬』を思い出しますね。
-データ-
アジア民族造形館
〔住所〕岩手県九戸郡野田村大字野田第6地割75番地
〔TEL〕0194-78-3252
〔営業時間〕午前9時~午後5時
〔入館料〕一般300円、高・大学生200円、小・中学生100円、幼児無料(団体割引あり)
〔定休日〕毎週月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌日) 、冬期間(12月31日~3月31日)
〔ウェブサイト〕http://www.vill.noda.iwate.jp/kankouspot/682.html
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タグ:アジアの広場, アジア民族造形館, 紅葉, 三陸ジオパーク, 苫屋
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